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離婚後も共有名義の家に妻が住むことはできる?
「離婚したけれど、共有名義の家に住み続けたい」と思う方は少なくありません。共有名義の家であっても夫婦間で話し合いにより、どちらが一方だけが済み続けることは可能なのでしょうか?この記事では、離婚後も家に住み続けたいと考えている方へ、共有名義がもたらすデメリットと持ち家に住み続けるための方法を紹介します。
離婚後も共有名義の家に妻が住むことは可能
離婚後も、共有名義の家に妻(または夫)が住み続けることはできます。ただし「夫婦間で話し合い、双方が納得している」場合に限りです。共有名義は、「複数人で1つの不動産を共有している状態」のため、不動産をどのように扱うのか決める際には他の共有者全員の同意を得なければなりません。つまり、家が夫婦の共有名義の場合、夫婦で話し合ったうえで互いに合意が得られれば家に住み続けられますが、反対しているのならば交渉が必要になるのです。
しかし、「了承を得たから、とりあえず安心」と思った方もいるかもしれませんが、共有名義のまま住み続けるのは、あまりおすすめできません。できれば共有状態を解消し、単独名義に変更しましょう。
共有名義のまま妻が住み続けると起きる6つのデメリット
共有名義の不動産は、お互いの利害が一致しているときは問題になりにくいものです。しかし、離婚して別々の人生を歩み始めると、意見の対立が生まれやすくなります。
ここでは、共有名義のまま妻が住み続ける場合に起こりうる、代表的な6つのデメリットやリスクについて解説します。
自由な売却やリフォームができない
1つ目のデメリットは、自分の家でありながら自由に扱うことができないという点です。
共有名義の不動産全体を売却したり、大掛かりなリフォームを行ったりするには、共有者全員の同意が必要であると法律で定められています。例えば、将来「家が古くなったから建て替えたい」と思ったり、「まとまったお金が必要だから家を売りたい」と考えたりしても、元夫が「うん」と言わなければ何もできません。
自分のライフスタイルに合わせて住環境を変えられないことは、長く住み続けるうえで大きなストレスとなるでしょう。
住宅ローン滞納により競売にかけられるリスク
2つ目は、元夫が住宅ローンの支払いを滞納してしまうリスクです。
夫が主債務者(ローンの名義人)で、妻が連帯保証人や連帯債務者になっているケースはよくあります。もし元夫の経済状況が悪化し、ローンの支払いがストップしてしまったらどうなるでしょうか。
銀行などの金融機関は、残りのローンを一括で返すよう求めてきます。返済ができなければ、最終的に家は「競売」にかけられてしまうでしょう。
競売になると、見ず知らずの他人が新しい所有者となり、住んでいる妻は強制的に退去を迫られることになります。「自分は住んでいるだけだから」という理屈は通用しません。相手の財布事情によって、ある日突然住む場所を失う危険性があるのです。
家賃(使用料)を請求される可能性がある
3つ目は、元夫から「家賃(使用料)」を請求される可能性がある点です。 離婚当初は「養育費の代わりでいい」「タダで住んでいいよ」と言われていたとしても、あくまで口約束に過ぎないケースは少なくありません。 時間が経ち、元夫が再婚したりお金に困ったりすると、「自分の持分に相当する家賃を払ってほしい」と要求されるトラブルが発生するケースも。法律上、共有者には持分に応じた使用収益権があるため、住んでいない共有者が住んでいる共有者に対して対価を求めることには一定の正当性があります。突然の出費を強いられることは、生活設計を狂わせる大きな要因となりかねません。相続発生時に権利関係が複雑化する
4つ目は、相続によって権利関係が複雑になってしまうリスクです。
もし元夫が再婚し、その後亡くなってしまった場合、元夫の持分は「再婚相手」や「その子供」に相続されます。
そうなると、妻から見れば「全く面識のない他人」と家を共有することになります。再婚相手の家族と、家の管理や処分について円滑な話し合いが難しくなる可能性が高くなるでしょう。
遺産分割協議が難航すれば、家の売却もままならず、修繕費用の分担などで揉める可能性も高まります。時間が経てば経つほど、問題解決の糸口が見えにくくなってしまうのです。
固定資産税などの支払いトラブル
5つ目は、税金や維持費の支払いに関するトラブルです。
固定資産税の納税通知書は、原則として代表者ひとりの元に届きます。妻が住んでいる場合、妻宛てに届くことが多いですが、本来は共有者全員で持分に応じて負担すべきものです。
しかし、元夫に「自分が住んでいるわけではないから払わない」と拒否されてしまうと、住み続けるためには妻が全額を負担せざるを得なくなります。
毎年発生する数万円から十数万円の出費を、相手の分まで負担し続けるのは経済的にも精神的にも大きな負担となってしまうでしょう。
夫の持分が第三者(業者など)に売却される
6つ目は、夫の持分が第三者に渡ってしまうリスクです。
家全体を売るには全員の同意が必要ですが、実は「自分の持分だけ」であれば、相手の同意なしに自由に売却することができます。もし元夫が、現金化のために自分の持分を不動産買取業者や投資家に売却してしまったらどうなるでしょうか。
ある日突然、見知らぬ不動産業者が共有者となり、「家賃を払ってください」や「家全体を売って現金を分けましょう(共有物分割請求)」と迫ってくる可能性があります。
プロの業者を相手に交渉するのは非常に困難で、最終的に住み慣れた家を追い出されてしまうケースも珍しくありません。
離婚後に共有名義の家に住む場合は単独名義への切り替えがおすすめ
離婚したあとも家に住み続ける予定の場合は、共有名義から単独名義に変更することをおすすめします。単独名義にする、上述したデメリットをすべて解消できるでしょう。ここでは、「単独名義にしたいけど、住宅ローンが……」と思った方へ、住宅ローンが残っている場合いと残っていない場合それぞれの単独名義への変更方法について紹介します。
住宅ローンが残っていない場合
住宅ローンがない場合、相手から同意を得て共有持分を譲ってもらうことで単独名義に変更できます。譲ってもらう方法には、金銭を支払う方法と、無償で譲り受ける方法の2パターン。金銭を支払って譲ってもらうのが一般的ですが、話し合いによって無償で譲ってもらえるケースもあります。相手から無償で共有持分を譲ってもらった場合には、その共有持分に対して贈与税が課される点に注意しましょう。
住宅ローンが残っている場合
住宅ローンが残っている場合でも、法律上は名義変更が可能です。ただし、住宅ローンの規約違反になるリスクがあります。住宅ローンを組む際、契約書に「銀行の承諾なく名義を変えてはならない」といった内容が記載されているケースがほとんどだからです。そのため、変更を行いたい場合には、銀行側に承諾を得たうえで行いましょう。承諾が得られない場合の方法として考えられるのが、一括でローンを完済する方法です。一括返済が難しい場合にはローンの借り換え検討しましょう。
単独名義にできない・家にこだわらない場合の解消法
「夫の持分を買い取る資金がない」「そもそも夫が話し合いに応じてくれない」といった理由で単独名義にできない場合もあるでしょう。 また、家に強い執着がないのであれば、無理に住み続ける必要はありません。 ここでは、単独名義化が難しい場合の現実的な解決策(共有関係の解消法)を紹介します。夫婦の合意で家全体を売却する
夫婦で協力して家全体を売却し、現金化して分ける方法です(換価分割)。お互いの合意が必要にはなりますが、家を最も高く売却できる可能性が高く、公平に資産を分けられるため、後腐れのないきれいな解決策といえるでしょう。
売却代金から住宅ローンの残債や仲介手数料などの諸経費を差し引き、残った手取り金額を持分割合に応じて分配します。
家という物理的な共有関係を解消できるだけでなく、まとまった現金を手にすることで、お互いに新たな生活のスタート資金を確保できる点も大きなメリットでしょう。もし相手と冷静に話し合いができる関係であれば、まずはこの方法を検討することをおすすめします。
すでに問題が発生してしまっている場合の解消法
近年の空き家問題なども含め、「共有名義」が引き起こすトラブルが社会的な問題となっています。すでに見知らぬ人と共有関係になっていたり、相続が繰り返されることで共有者が多くなりすぎたり、離婚後も相手と連絡を取り合う必要があったりとすでに困っている状態の方も少なくありません。また、共有名義解消に向けて単独名義に変更したい場合でも、「相手と話がまとまらなさそう」「相手と顔も見たくない」というケースもあるでしょう。
このような場合には、自分の共有持分を不動産業者に買取ってもらい共有状態を解消するのもひとつの方法です。今の家には住み続けられなくなりますが、買い取ってもらうことでまとまった資金を得ることができるほか、固定資産税などの納税負担も減らせます。共有持分の買い取りを専門に扱っている不動産業者もあるため、相談してみてはいかがでしょうか。
共有名義の家に離婚後も妻が住む場合のよくある質問
ここまで、離婚後に共有名義の家に妻が住み続ける際のリスクや対策について解説してきました。ここからはおさらいも兼ねて、読者の皆様が抱えやすい疑問をQ&A形式で解消していきます。
Q. 妻が専業主婦やパートでも、単独名義へのローン借り換えは可能ですか?
結論から言うと、現在の収入だけでは審査が非常に厳しいのが現実です。住宅ローンの審査では、安定した継続的な収入が最も重視されるためです。
しかし、絶対に不可能というわけではありません。例えば、安定した収入のある親族を連帯保証人に立てる方法が考えられます。また、ご自身の親族から援助を受けて頭金を用意し、借入額自体を減らすのも有効な手段のひとつです。離婚時の財産分与として夫から現金を受け取り、それを使ってローンを完済してから単独名義にするという選択肢もあります。
ご自身の状況に合わせて、現実的な打開策を模索してみてください。
Q. 共有名義のまま住む場合、毎年の固定資産税はどちらが支払うのですか?
法的には、共有者全員に「連帯納付義務」があります。つまり、夫と妻の両方に全額の支払い義務が生じる仕組みです。
ただし、役所から届く固定資産税の納付書は、通常は代表者1名(多くは筆頭者である夫)に送付されます。持分割合に応じて分割された金額の納付書が別々に届くわけではありません。そのため、実際にどちらがどの割合で負担するのかは、離婚時に夫婦間でしっかりと話し合っておく必要があります。後々のトラブルを防ぐためにも、取り決めた内容は口約束で終わらせず、必ず離婚協議書などの書面に残しておきましょう。
Q. 夫が勝手に自分の持分(共有持分)だけを売却してしまうことはありますか?
残念ながら、夫が自分の共有持分だけを無断で売却するリスクは存在します。
家全体を売却するには共有者全員の同意が不可欠ですが、自身の「持分」のみであれば、他の共有者(この場合は妻)の同意がなくても法的に売却可能です。もし夫が不動産買取業者などの第三者に持分を売却してしまうと、見知らぬ業者が家の新たな共有者となってしまいます。
その結果、業者から急な退去を迫られたり、相場より高い家賃を請求されたりといった、深刻なトラブルに発展するケースも少なくありません。
Q. 住宅ローンの支払いを、養育費や慰謝料の代わりにすることはできますか?
当事者間の合意さえあれば、ローンの支払いを養育費などの代わりとする取り決め自体は可能です。
しかし、この方法には大きな危険が潜んでいます。もし夫が失業などでローンの支払いを滞納した場合、最悪のケースでは家が金融機関によって競売にかけられ、住む場所を失ってしまう恐れがあるからです。
そうしたリスクを避けるためには、ローン支払いと相殺するのではなく、「養育費は現金で毎月しっかりと受け取り、家は売却して利益を分ける」といった方法を取る方が、長期的には安全だといえるでしょう。
Q. 将来家を売却したくなった際、夫と連絡が取れないとどうなりますか?
共有名義の不動産全体を売却するには、原則として共有者全員の同意と署名・捺印が必須となります。
そのため、将来的に家を手放したくなった時に夫と音信不通の状態だと、売却手続きをなかなか進められません。結果として、家が売るに売れない「塩漬け状態」に陥ってしまいます。
老朽化した家の維持費や固定資産税だけを支払い続ける負担を避けるためにも、将来の住み替えや売却を見据えて、早めに名義を一本化しておくことが重要です。
Q. 共有名義の夫が自己破産した場合、住み続けている家はどうなりますか?
夫が自己破産の手続きをすると、夫が所有している共有持分は「破産管財人(裁判所に選任されて財産を管理・処分する人)」によって差し押さえられます。
その後、夫の持分は借金の返済に充てるために競売などにかけられ、第三者の手に渡る可能性が高いです。新しい持分の所有者から家賃を請求されたり、家全体の売却を求められたりするため、そのまま平穏に住み続けることは極めて困難になります。
相手の経済状況が悪化するリスクも考慮し、共有名義のまま放置することは避けたほうが無難でしょう。
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