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共有持分の私道を売却できる?
共有持分の私道は、全体を売却するか自分の持分のみ売却するかで対応が異なります。私道持分のみ売却する場合は、自分の意思で自由に売却可能です。
一方、共有私道そのものを売却したい場合は、共有者全員の同意が必要であり、全員の同意が得られれば売却できます。共有者がわからない際は、「不在者財産管理制度」を利用することで、共有私道が売却できるようになります。
ここでは、共有持分の私道を売却する流れやメリット・デメリット、トラブル事例を紹介します。
共有持分の私道は売却可能
共有持分、つまり自分の所有権のみであれば、自分の意思で自由に売却できます。たとえば、6戸の住宅で1つの私道を所有している場合、共有持分はそれぞれ6分の1となり、6分の1の持分を売却するのは個人の自由ということです。
【イメージ例:共有持分】
※画像のグレー部分が私道になります。
ただし、共有持分を売却する際は、私道に接している土地もあわせて売却するのが一般的とされています。私道の持分だけ売却しても買い手側はその権利を活かせず、メリットを得られないためです。
なかには「共有している私道全体を売却したい」と考える方もいるかもしれませんが、共有持分の私道は、1つの私道を複数の所有者で共有している状態のため、「売却したい」「工事をしたい」場合には、共有者全員の同意が必要になるので注意しましょう。
共有私道の所有者が不明でも売却可能
相続や住所移転の登記がされずに放置され、共有している私道の所有者がわからないケースも珍しくありません。所有者が不明な際には、財産管理制度を利用することで売却できます。
- 不在者財産管理制度:行方不明・生死不明など、所有者の所在がわからない場合に利用
- 相続財産管理制度:の土地を相続した人がいるのかわからない場合に利用
どちらの制度も、家庭裁判所にて「不在者財産管理人」または「相続財産管理人」を選任するよう申し立てる必要があることを踏まえておきましょう。
共有持分の私道のメリット・デメリット
共有持分になっている私道のメリットは、道路使用の権利をもてることです。反対にデメリットには、金銭的な負担があげられます。
メリット
共有持分の私道をもつメリットは、道路の使用権利をもてるところです。自由に通行ができるほか、私道に接している土地がある場合には、原則立て替えや売却も行えます。
デメリット
デメリットは、金銭的な負担が増えるところです。具体的には、以下2つあります。
- 私道の維持管理をするために修繕費用がかかる
- 私道を所有している部分に固定資産税がかかる
公道であれば、道路の維持管理は所有している国や市が行いますが、私道では自治体は関与しません。そのため、たとえば私道に亀裂が入った場合や陥没した場合には、共有者同士で負担することになります。
維持管理費の負担をめぐって、共有者同士でトラブルに発展する可能性も考えられます。修繕費や税金などの経済的負担が増える点や、共有者同士のトラブルの要因にもなりえるのが共有持分の私道をもつデメリットといえるでしょう。
共有持分の私道を売却する流れ
共有持分の私道を売却する流れは以下のとおりです。
- 共有私道の持分割合を確認する
- 売却に必要な書類を用意する
1.共有私道の持分割合を確認する
法務局にて、共有私道の持分を確認しましょう。
- 「公図」を取得し、私道部分の地番を調べる
- 私道部分の地番の「登記事項証明書」(登記簿謄本)を取得する
公図は、土地の位置や形状を確認するための書類ですが、この場合は「地番」を把握するために取得します。地番がわかったら、登記事項証明書を取得しましょう。
登記事項証明書は、土地や自宅の所有者、大きさ、構造などが記載された証明書のため、共有私道の持分や所有者を確認できます。なお、登記事項証明書と登記簿謄本は、ほぼ同じ意味として使われています。
2.売却に必要な書類を用意する
売却に必要な「通行・掘削承諾書」を用意します。通行・掘削承諾書とは、「人や車両が通行してもよい」という承諾と、ガス管の埋設工事、水道管の引き込み工事などに関して「掘削工事をしてもよい」と、私道の所有者が承諾をした書面です。私道に接した土地や不動産を売却する際に、買主に受け渡す書類として必要になります。
通行・掘削承諾書があるかないかで、土地の価値や買い手が見つかる可能性が変わってくるため、忘れず用意するようにしましょう。
私道の共有持分をトラブルなく売却するために権利を明確化が大切
買主とのトラブルは、できれば避けたいもの。トラブルを回避するためには、権利関係を明確にしておくことが大切です。また、通行や掘削に関する取り決めなどは、書面化しておくこともおすすめします。
承諾が自分で得られない場合や、どうしたらよいかわからない場合には、専門業者に相談してみましょう。共有持分を専門に取り扱っている業者であれば、ノウハウを活かした提案をしてもらえます。
共有持分の私道で起こりやすいトラブル事例
共有持分の私道は、複数の所有者で共有しているため、工事や費用面などでトラブルや起きやすい傾向があります。
事例1:掘削工事が始められない
共有している私道の掘削工事は、民法で定められている「共有物の変更行為」に該当するため、共有者全員の同意が必要になります。
たとえば水道やガスなどの引き込み工事をしたくても、ほかの共有者の誰か1人でも反対すると工事はできません。その結果、トラブルに発展するケースがあります。
事例2:通行承諾が得られない
私道は公道と異なり、所有者や所有者が認めた人しか通行できません。そのため、所有者以外が通行する際には、「通行承諾」が必要になります。
しかし、所有者のなかには、私道を通行しなければ公道に出られない状況を逆手に取り、あえて通行承諾をせず高額な通行料を請求する人もいます。
事例3:補修工事ができない
老朽化した私道全体の修繕などは、民法で定められている「共有物の管理行為」に該当するため、ほかの共有者の過半数の同意が必要になります。修繕費用は、共有者の持分に応じて負担する必要があるので、反対されると補修工事ができずトラブルになるというケースです。
自分の持分内である私道の一部補修は「共有物の保存行為」にあたり、自分の意思で補修を実行できますが、工事車両が入ることでトラブルが生じる可能性もあります。
事例4:税金や費用を負担してくれない
固定資産税や私道全体の修繕費などは原則、各共有者が共有持分に応じて費用を負担します。固定資産税や都市計画税などの税金は、代表者に納税通知書が届くため、ほかの共有者から徴収しなければなりません。
その際、支払わない共有者がいると、その負担分がほかの共有者にまわってしまい、不満などからトラブルが起きやすくなってしまいます。
売却に悩んだら専門業者に相談しよう
共有持分の私道を売却する際は、「持分のみ」ではなく「私道に接している土地」もあわせるのが一般的です。売却する際は、私道の権利を明確にするとともに、買主に受け渡す「通行・掘削承諾書」を用意しておきましょう。
売却するか迷っている場合は、専門業者に相談するのがおすすめです。共有持分を専門に扱う買取業者もあるため、検討してみてはいかがでしょうか。
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