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相続登記をするメリット・デメリットとは?
このページでは、相続登記を行うメリットとデメリットを比較しながら、相続登記をすべきポイントを解説していますので参考にしてください。
相続登記のメリットとは?
相続登記をすることで不動産を売却できるようになる
不動産を売却しようと思っても、その不動産の所有者でなければ売却を決めることはできません。
相続登記はその不動産に関して、相続人が所有者であると公的に登録するための手続きです。言い換えれば、相続登記をきちんと行うことで不動産の所有者として証明されるため、相続した土地や建物を売却して現金化できるようになります。
2022年2月現在、相続登記をせずとも法的な罰則等はありませんが、早めに相続登記を行っておかなければせっかく魅力的な土地取引の話が舞い込んできた際にも、すぐに売却を決められずにチャンスを逃してしまう恐れがあるでしょう。
相続人の数を確定させて遺産分割協議を円滑に進められる
複数の相続人がいる場合、被相続人の遺産についてどのように分配するのか遺産分割協議を行わなければなりません。しかし、相続登記をせずに長い間ずっと放置してしまうと、相続人までが死亡してしまい、その子供へ相続権が移っていることもあります。
遺産分割協議では相続権を有する全ての人が協議に参加しなければなりませんが、相続人同士の関係性が薄くて、さらにはその子供たちについて現住所などが判然としない場合、話し合うべき相手の所在地が分からずに遺産分割協議を一向に進められない可能性もあります。
早めに相続登記を完了することで、互いの住所や連絡先を公的に保管してもらえることはメリットです。
相続人の病気や事故によって遺産分割協議を進められなくなるリスク
相続人が死亡しなくても、高齢者になってくれば認知症やその他の病気、事故といったリスクも高まります。
一方、たとえ認知症を患っていたとしても相続権を有する人には遺産分割協議へ参加する権利があり、冷静な話し合いが行えずに遺産分割協議が長引いてしまう原因にもなりかねません。
本人に判断能力等がないと認められれば、成年後見制度などを利用することになりますが、その申請が完了するまでにも数ヶ月単位の時間がかかり、全員にとって負担が増大することもあります。
予期せぬ差し押さえを回避できる
相続人が複数いて、その中に借金などの債務を抱えている人がいる場合、債権者によって不動産を差し押さえられる場合があります。
基本的に、無関係な第三者が所有する不動産を勝手に差し押さえることはできません。しかし、例えば兄弟の兄に多額の借金があったとして、兄だけが相続登記を完了して弟が相続登記をせずに放置していた場合、兄の債権者が「兄の不動産」として差し押さえてしまう可能性があります。
こうなると、現実的に弟が不動産を活用したり売却したりしようとしてもスムーズに行かなくなるため、相続登記は速やかに行うことが大切です。
不動産の所有権を主張するには相続登記が重要
不動産の売却に関連してすでに説明したように、相続した不動産について所有者として主張したければ、相続登記を完了しておくことが前提となります。
たとえ身内だとしても、それぞれの懐事情の全てを把握し合うことは難しく、知らない間に相続人の内の誰かが多額の借金問題を抱えているかも知れません。
相続関連のトラブルは本人達が引き起こそうと思って起こるものだけでなく、思いがけない理由から遺産分割協議が複雑化したり、不動産関連の問題がややこしくなったりすることもあります。
全員が速やかに遺産分割協議を完了して、それぞれの将来に目を向けるためにも、相続登記をすべき人は早めに登記を済ませておきましょう。
早めの相続登記で公的手続きの複雑化を回避できる
ペナルティがないからこそ、相続登記を数十年単位で放置している人もいます。しかし公的書類には保存期間が定められており、いざ手続きを開始しようとしても、すでに必要な書類や証明書が失われてしまっているケースがあります。
こうなると所有者であると証明すること自体が困難になる恐れもあるため、早めに相続登記をしておくことで公的リスクを回避するようにしてください。
相続登記のデメリットとは?
相続登記には法務局で手続きをしなければならず、司法書士へ依頼すれば費用もかかります。
相続人が自分で手続きを行うことも可能ですが、現実には専門知識がなければ難しい上、かといって司法書士へ支払う数万円単位の料金も負担です。
また、行政手続きの手数料も無視できません。登記の際には登録免許税がかかりますが、それは「評価額×0.4%」で計算されます。例えば、1千万円の土地を相続した場合、登記には4万円の費用がかかります。
相続登記の義務化も始まるため早めの相続登記が重要
手続きに関する費用だけを見ると、相続登記をする際のデメリットが大きく感じられるかも知れません。しかし、実際は相続登記を放置することで生じるデメリットの方が深刻であり、早めに相続登記を行うことが無難です。
また、法改正によって2024年から相続登記の義務化が始まるとされており、期限内に相続登記を完了しなければ場合によって過料の支払いといったペナルティが科せられます。
相続登記は後回しにせず、早めに手続きを行ってリスクを回避しておきましょう。
相続登記を放置しないための基礎知識
2024年4月1日から相続登記が義務化されることもあり、改めて相続登記についてきちんと理解や意識を持つことが重視されています。しかし2022年現在、相続登記はまだ法的義務のある手続きでなく、さらにあくまでも相続が発生した際に必要となる手続きであるなど、一般人にとっては日常的に接する機会が少ないことも事実です。
そこで、ここでは改めて相続登記の全体的な流れや、申請に必要な書類・費用といった基本情報を紹介していますので、まずは概要として理解しておいてください。
相続登記の全体的な流れ
相続が発生してからの相続登記の全体像及び流れとしては、一般的に以下のようになります。
- 遺言書の有無の確認
- 相続人の確定と相続する全ての資産の確認
- 全ての相続人による遺産分割協議
- 不動産を相続する相続人と相続内容の確認
- 相続登記に必要な書類の入手または司法書士への代行依頼
- 必要書類の提出と登録免許税の支払い
- 司法書士へ代行依頼している場合は司法書士報酬の支払い
遺言書の有無の確認
被相続人が亡くなった時点で、まず遺言書があるかどうかの確認を行います。遺言書があった場合、特に不動産についての項目があるかないかで相続の内容や遺産分割協議の方針が異なってくるため、最初にきちんと遺言書について確かめることが大切です。
また、遺言書を作成した人は、自分の死後に遺された家族が余計なトラブルに陥らないよう、遺言書の存在について適切に情報共有しておくことも重要です。
相続人及び相続内容の確認
相続人として誰がリストアップされるのか、法定相続人に加えて遺言書の内容などから全体的に正しく確認します。同時に、遺産として存在している財産や資産を、不動産や預貯金などを含めて全てチェックすることも欠かせません。
具体的に相続人や遺産の内容が判明すれば、改めて誰が不動産をどのように相続するのか話し合いが行われます。なお、遺言書が存在する場合、基本的に遺言書の内容に沿って相続が進められますが、相続人の遺留分を無視することはできません。
なお、遺産分割協議は相続人全員の同意や委任がなければ成立しないため、特に相続登記が義務化された後は速やかに協議をスタートできるよう注意してください。
不動産を相続する人が相続登記をすべき人
不動産に関する相続登記は、被相続人からの不動産相続によって土地や物件を新たに取得する人です。そのため、不動産を相続しなかったり、相続権を放棄したりした人については相続登記が必要ありません。
相続登記に必要な書類の用意
相続登記をすべき相続人は、改めて相続登記に必要な書類を確認して入手しなければなりません。なお、相続登記の手続きや書類の用意は個人でも行えますが、司法書士へ手続きを代行してもらえるよう委託することも可能です。
書類の用意や記入内容に不備があれば申請が受け付けられないため、不安のある人は司法書士へ依頼することが無難でしょう。
必要な費用や報酬の支払い
相続登記には書類の用意にかかる諸経費や登録免許税、司法書士へ依頼した場合は司法書士報酬といった費用が発生します。
相続登記の必要書類
相続登記に必要な書類としては一般的に以下のようなものが挙げられます。
- 被相続人の死亡から出生までの戸籍謄本
- 被相続人の戸籍の附票または住民票の除票
- 相続人全員の戸籍謄本
- 不動産を相続する相続人の住民票
- 相続人全員の実印が押印された遺産分割協議書
- 相続不動産の固定資産評価証明書
被相続人の死亡から出生までの戸籍謄本
被相続人(亡くなった人)の死亡から出生までの歴史を記した戸籍謄本を確認して、相続権を持つ相続人を確定します。相続人の確定を行わずに遺産分割協議を行っても、相続登記は行えません。
被相続人の戸籍の附票または住民票の除票
被相続人が生前に移り住んできた住所の変遷を証明するために、戸籍の附票または住民票の除票を用意します。
相続人全員の戸籍謄本
相続人として権利を持つには、被相続人が死亡した時点で相続人が存命でなければなりません。そのため、それを証明するために相続人全員の戸籍謄本が必要です。
不動産を相続する相続人の住民票
不動産登記では名義人の住民票を添付して提出しなければなりません。
相続人全員の実印が押印された遺産分割協議書
遺産分割協議の内容は遺産分割協議書としてまとめられますが、それが真実であることを示すために相続人全員の実印が押印されていることが必要です。また、実印の正しさを証明するために印鑑証明書を添付します。ただし法定相続分に従って登記する場合、遺産分割協議書や印鑑証明書は必要ありません。
相続不動産の固定資産評価証明書
不動産の固定資産評価証明書が登録免許税を算出するために必要です。
相続登記で発生する費用
相続登記では戸籍謄本などの書類をそろえる諸費用の他に、一般論として以下の2つの費用が発生します。
登録免許税
不動産登記にかかる費用であり、個人で登記を行っても司法書士へ依頼しても必ず必要です。
金額は、対象の不動産の固定資産評価証明書に記載されている評価額に「1000分の4(0.4%)」を乗算して求められます。
司法書士報酬
相続登記を司法書士へ依頼した場合、司法書士報酬を支払わなければなりません。なお、司法書士報酬は2022年時点で司法書士が独自に設定できるようになっており、具体的な金額は依頼先の事務所へ確認しておきましょう。
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