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共有持分を放棄する方法と贈与との違い
不動産の共有持分は、自分が意思表示をして、持分放棄の登記の手続きを行うと放棄できます。
とはいえ、放棄したことを証明するための登記申請は、他の共有者との共同申請が必要であり、単独ではできません。
ここでは、共有持分を放棄する方法や放棄にかかる費用、贈与との違いを解説します。
共有持分を放棄する方法
共有持分を放棄するには、「意思表示」と「持分放棄の登記」の申請が必要です。
また、登記申請を行うには、「共有者に協力を求める」ことも必要になります。
おもな流れは以下のとおりです。
- 共有者に口頭で持分放棄をする意思表示をする
- 口頭での意思表示に不安がある場合は、「内容証明郵便」にて正式な書面通知をする
- 共有者に共同で登記申請してもらえるよう協力を求める
- 必要書類をそろえ、法務局にて持分放棄の登記手続きを行う
共有者に協力してもらえないと、登記ができなくなる恐れがあるため、伝え方・言い方に配慮しましょう。
持分の放棄とは
持分の放棄とは、共有者の1人が自分の持分を放棄することをいいます。
「持分」とは、所有権や所有権の割合を指します。
ある財産について共有関係がある場合に、各共有者が共有物について一定の割合で持っている部分的な所有権。持分権。また、その所有権の割合。
引用元:コトバンク https://kotobank.jp/word/%E6%8C%81%E5%88%86-142468
たとえば、夫婦共同名義でマンションを購入した場合や、数人で1つの土地を相続した場合などでは、各人に共有持分があります。
共有持分の放棄は、相続や離婚、共有者とトラブルになった際などに、「共有関係の解消方法」として挙げられている方法です。
持分を放棄すると、放棄した持分は他の共有者に帰属します。
共有者が複数いる場合には、それぞれの共有者の持分割合に従って分けられます。
持分放棄の登記とは
持分放棄の登記とは、自己の持分を放棄し、所有権を共有者に移転する手続きです。
手続きを行うと、登記の目的や受付日時、所有者や共有者の氏名などが書面に記載されるため、「いつ、誰から誰へ所有権が移ったか」が明確になります。
注意点は、単独ではできないところです。
登記の申請をする際は、放棄する側と共有者側、双方が必要書類をそろえて法務局に提出しなければなりません。
【放棄する人の必要書類】
- 権利証または登記識別情報
- 印鑑証明書
- 固定資産税評価証明書
- 実印
- 本人確認書類
- 住所や氏名に変更がある場合は、住民票や戸籍の附票も必要になります
【共有者の必要書類】
- 住民票
- 印鑑
- 本人確認書類
他の共有者の協力が欠かせないので、協力してもらえるよう相談しましょう。
持分放棄にかかる費用
持分放棄をする際には、以下のような費用がかかります。
- 登録免許税:固定資産評価額の2%
- 必要書類をそろえるための手数料(例:住民票300円 など)
たとえば、固定資産評価額2,000万円の住宅の持分5分の1を放棄した場合、登録免許税は8万円になります。
- 評価額2,000万円×持分5分の1×2%=8万円
固定資産評価額は、毎年4月に届く固定資産税の課税明細書に記載されているため、確認してみましょう。
持分放棄の手続きを難しい・手間だと感じる場合は、手続き費用+報酬金がかかりますが、司法書士に依頼するのも1つの方法です。
なお、持分の放棄をすると、放棄した人ではなく持分を取得した共有者側に贈与税が課される恐れがあります。
トラブルにならないよう、注意しましょう。
放棄と贈与の違い
持分の放棄以外に、贈与や売却といった方法もあります。
違いは以下のとおりです。
放棄 | 贈与 | 売却 | |
---|---|---|---|
形式 | 単独の意思表示 | 契約 | 契約 |
持分の取得者 | 共有者 | 受贈者 | 購入者 |
かかる税金 | 贈与税 | 贈与税 | なし |
持分を放棄する際は、移転できるのは共有者に限られますが、贈与では契約を交わせば誰にでも移転できます。
持分放棄は、「意思表示をすればできる」とも言われていますが、登記をするにあたり共有者との共同申請が必要になるため、贈与の場合と、あまり差異はないといえるかもしれません。
資産を手放すだけでなく、対価を得たい場合には、売却する方法も1つの選択肢になります。
まとめ:持分放棄・贈与・売却は状況に合わせて使い分けよう
持分放棄は、不動産の共有状態を解消するために用いられる方法です。
意思表示をするだけで効力が生じるメリットはありますが、登記を行うには、共有者との共同申請が必要不可欠です。
持分を放棄する意思があり、登記の手続きをするために協力してほしいことや、贈与税がかかるかもしれない旨などを共有者に伝え、協力してもらいましょう。
共同申請に協力してもらえない場合や、手続き方法がわからない場合には、司法書士や共有持分買取業者などに依頼するのも1つの手段です。
また、放棄ではなく、贈与や売却を行う方法もあります。
選択肢は複数あるため、状況に合わせて使い分けていきましょう。

2016年:宅地建物取引士資格取得
不動産会社で賃貸物件の仲介、地主様の土地活用、マンションの管理やそれらに関する維持サポート等を行うかたわら、2018年よりライターとして活動をスタート。
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