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共同名義と共有名義の違いとは?
一つの不動産を複数人で所有する場合に、「共同名義」と「共有名義」という言葉がよく使われます。これらの言葉は似ているため、正確な意味の違いを理解しにくいこともあります。本記事では、その違いと合わせて「共有持分」に関する情報も詳しく解説します。
共同名義と共有名義の意味や違い
「共同名義」と「共有名義」は、一つの不動産を複数人で所有する状態を指します。これらは言葉の違いにより別の意味を持つように思われがちですが、実際には正確な違いはありません。2つとも「複数の名義人が一つの不動産に関わる」状況を指しており、実質的に同じ意味です。
共有持分との違いとは?
「共有持分」は共同名義や共有名義の中で、それぞれの人が持っている権利の割合のことを指します。たとえば、不動産を購入するときに出したお金の割合で決まることが多いです。
例えば夫婦で不動産を購入したとします。夫が70%、妻が30%のお金を出した場合、夫の「共有持分」は70%、妻の「共有持分」は30%となります。この割合は登記簿に記載され、正式に認められます。
共有持分の特徴
1. 自由に使える範囲が決まっている
共有持分を持っている人は、自分の持分の範囲内であれば、不動産を自由に使ったり、売ったりできます。ただし、不動産全体について何かを決めるときは、全員の同意が必要です。
例えば、ある人が持分に応じた範囲内でその不動産の一部をリフォームすることは自由にできますが、不動産全体に関わるような改築や解体を行う場合は、共有者全員の同意が必要です。
2. 権利がはっきりしている
共有持分の割合は登記簿に書かれているため、それぞれの人がどれだけの権利を持っているかが明確です。不動産を売った場合も、この割合でお金が分けられます。共有持分の割合が明確であることは、収益分配や責任分担においても重要な意味を持ちます。
3. 全体を勝手に使えない
一人の意思だけで不動産全体を勝手に使うことはできません。たとえば、賃貸に出したり売却したりするには、全員の同意が必要です。
さらに、不動産全体を利用するような場合には、共有者間で合意を形成することが不可欠です。たとえば、不動産を第三者に貸し出す際には、その契約内容や賃料の取り分についても全員で話し合う必要があります。このように、共有者全員が不動産の使用に関して意見を出し合うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
共同名義・共有名義のメリット・デメリットとは?
単独名義にするか、共同名義・共有名義にするかは大切な検討事項のひとつです。共同名義にはメリットだけでなく、注意すべき点もあるため理解したうえで選択しましょう。
共同名義のメリット
住宅ローン控除を活用できる
共同名義で住宅ローンを組む場合、各所有者が住宅ローン控除を受けることができます。ただし、持分割合に応じた控除額となるため、それぞれのローン負担額と持分を一致させることが大切。また、住宅ローン控除の適用条件には所得制限があるため、各共有者の所得額を確認しながら最適な組み合わせを選ぶことが求められます。
相続税対策になる
共同名義にしておくことで、各所有者の持分のみが相続対象となり、結果として相続税の負担を軽減できる場合があります。特に、夫婦間で共有している場合、配偶者控除を活用することで相続税の圧縮が可能です。事前に持分の移転計画を立てておくことで、相続時のスムーズな手続きを実現できるでしょう。
資金調達力が向上する
複数人で資金を出し合うことで、単独では購入が難しい不動産も取得可能になります。また、収入を合算して住宅ローンを組むことで、借入可能額を増やせるメリットもあります。その結果、希望する立地や広さの物件を取得しやすくなります。
しかし、共有者全員が同等の支払い能力を維持できるとは限りません。そのため、将来的な収入減少や経済状況の変化に対応できるよう、事前に共有者間で返済計画について話し合っておくことが大切です。
共同名義のデメリットと注意点
意思決定に制約がついてしまう
不動産の売却・賃貸・大規模リフォームなどの重要な決定には、共有者全員の同意が必要です。持分の大きい所有者でも単独では意思決定ができず、意見が対立すると意思決定が滞る可能性があるでしょう。
また、遠方に住んでいる共有者がいる場合や、意思疎通が困難な状況が生じた際には、決定に時間がかかる恐れも。機会損失につながる可能性もあるため、円滑な合意形成のための事前ルール作り(例:共有者間の事前合意書の作成など)をしておきましょう。
相続時の対応が複雑になる
共同名義の所有者が亡くなると、その持分が相続対象となります。相続人が複数いる場合、持分が細分化され、権利関係がさらに複雑化してしまいます。相続登記が滞った場合、未登記の相続人が増え、数世代にわたって相続が続くと、名義人が極端に多くなる可能性もあります。こうした事態を避けるためにも、生前の相続計画を慎重に立てておく必要があります。
贈与税のリスク
例えば、夫婦間で一方が全額出資して不動産を購入し、共有名義にした場合、出資していない側への贈与と見なされることがあります。この場合、多額の贈与税が課されるリスクがあるため、持分割合と出資額の一致が重要です。また、親子間での持分変更や名義変更も、税務上の贈与とみなされる可能性があるため、計画的に行うことが求められます。
管理費用の負担
固定資産税や修繕費などの管理費用は持分割合に応じて負担するのが原則です。しかし、共有者間で支払いに関する意見が対立すると、費用負担を巡るトラブルが生じる可能性があります。特に、賃貸運用を行う場合、家賃収入の分配や修繕費の負担割合について、契約書などで明確にしておくことが大切です。
離婚時のトラブル
夫婦で共同名義にしていた場合、離婚時の財産分与が複雑になります。ペアローンを利用していた場合、離婚後も連帯保証の関係が続くため、ローンの処理について事前に計画を立てる必要があります。離婚後にどちらかが住み続ける場合の名義変更やローンの引き継ぎについても、事前に金融機関と協議しておくことが望ましいでしょう。
持分の第三者譲渡リスクがある
共有者の一人が自分の持分を第三者に売却することは法律上認められている権利です。しかし、他の共有者の同意なしに行われると、見知らぬ第三者が共有者になる可能性があります。
この場合、新たな共有者が投資目的で持分を購入している可能性がある場合、自分自身が住み続けたいと考えていても、持分を売却するよう要求するケースもあります。最悪の場合、裁判による共有物分割請求を受け、不動産を売却せざるを得なくなるリスクもゼロではありません。
共同名義・共有名義を適切に運用するために
共同名義・共有名義で不動産を所有しようとしている場合には、下記の3つを意識することでトラブルを避けやすくなるでしょう。
- 持分割合の明確化…持分割合を明確にし、購入時に登記簿に正しく記載。出資額と持分を一致させることで、贈与税のリスクを回避することに繋がります。
- 事前の取り決め…売却や持分譲渡に関するルールを事前に共有者間で決め、合意書を作成しておくことで、将来的なトラブルを回避できます。
- 専門家の活用…税務や法律に関するリスクを適切に回避するため、司法書士や税理士に相談し、必要な手続きを適切に進めましょう。
まとめ
共同名義には住宅ローン控除や相続税対策などのメリットがある一方で、意思決定の制約や贈与税のリスク、離婚時の問題など、多くの注意点も存在します。適切に運用するためには、持分割合を明確にして事前に共有者間でルールを定め、専門家のアドバイスを受けるのがよいでしょう。
また、すでにトラブルが発生している場合や、共有者間での合意が難しい状況にある場合は、持分を買取専門業者に売却するという選択肢もあります。買取専門業者を利用すれば、速やかに現金化できるため、問題を早期解決する方法の一つとして検討する価値があるでしょう。
共同名義の不動産購入を検討している方は、これらのポイントをしっかり理解し、慎重に判断することをおすすめします。
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